都会の喧騒から離れ、静かな住まいで穏やかに暮らしたい。
そんな願いを持つ人は少なくないでしょう。
特に集合住宅では、周りの生活音が気になってしまうことも。
鉄筋コンクリート造(RC造)は、その防音性能から静かな住まいを求める人にとって魅力的な選択肢です。
しかし、RC造だからといって、すべての物件が同じ防音性能を持っているわけではありません。
今回は、RC造の防音性能の仕組みや、静かなRC造物件を見つけるためのポイント、そして入居後の防音対策について解説します。
鉄筋コンクリート造(RC造)とは、鉄筋を組み、その周囲にコンクリートを流し込んで固めた構造です。
鉄筋は引っ張る力に強く、コンクリートは圧縮する力に強いという、それぞれの特性を組み合わせることで、高い強度と耐久性を実現しています。
この構造は、建物の強度だけでなく、防音性能にも大きく関わります。
RC造の防音性能は、主に「遮音性能」に由来します。
コンクリートの高い密度と質量は、空気中を伝わる音を効果的に遮断します。
さらに、鉄筋とコンクリートが一体化した構造は、振動の伝達も抑制します。
そのため、外部からの騒音だけでなく、隣接住戸からの生活音も軽減されるのです。
RC造は遮音性能に優れている一方で、吸音性能は高くありません。
遮音とは、音を跳ね返すことで反対側への透過を防ぐ性能のこと。
吸音とは、音を吸収し、反響を抑える性能のことです。
コンクリートは音を反射しやすいため、室内で音が反響することがあります。
これは、音楽鑑賞などには好ましくない場合もありますが、生活音の反響は吸音材や家具の配置である程度調整できます。
RC造の物件を選ぶ際には、いくつかのポイントに注意することで、より静かな住環境を見つけられます。
戸境壁(隣接住戸との間の壁)の厚さと材質は、防音性能を大きく左右します。
厚いコンクリート壁は高い遮音性を発揮します。
内見の際は、壁を軽く叩いて確認してみましょう。
詰まった低い音がする壁は、厚く密度が高い、遮音性の高い壁である可能性が高いです。
反対に、軽い高い音がする場合は、壁が薄いか、材質が軽いため、遮音性が低い可能性があります。
上下階の騒音は、床の厚さと構造に影響されます。
厚いコンクリートスラブ(床版)は、重量衝撃音(足音など)の伝達を軽減します。
また、二重床構造は、空気伝搬音の遮断にも効果的です。
物件情報で床の厚さを確認するか、不動産会社に問い合わせてみましょう。
窓やサッシは、外部からの騒音浸入経路になりやすい部分です。
複層ガラスや防音サッシは、高い遮音性能を備えています。
窓の開閉時にスムーズに動くか、隙間がないかなども確認しましょう。
隣接住戸との位置関係も、騒音に影響します。
寝室と隣の住戸のリビングが隣接している場合、生活音が伝わりやすくなります。
間取り図で、水回りや寝室の位置を確認し、騒音の影響を予測しましょう。
過去の騒音トラブルの有無は、建物の防音性能を判断する材料になります。
不動産会社に確認するか、近隣住民に話を聞いてみるのも良いでしょう。
入居後も、家具の配置や防音グッズを活用することで、さらに防音性を高められます。
背の高い家具を壁際に配置することで、音の反射や透過を軽減できます。
特に、隣接住戸との間の壁に本棚などを置くのが効果的です。
また、吸音効果のあるラグやカーペットを敷くことで、床からの衝撃音を吸収し、階下への騒音伝達を抑えられます。
防音カーテンやカーペットは、比較的簡単に設置できる防音対策です。
厚手で遮音性の高い素材を選ぶことで、外部からの騒音や室内の音漏れを効果的に防ぎます。
壁に吸音パネルを取り付けたり、床に防音マットを敷いたりするなど、DIYで防音対策を行うことも可能です。
賃貸物件の場合は、原状回復義務に注意しながら行いましょう。
RC造は、高い遮音性能を持つため、静かな住まいを求める人にとって優れた選択肢です。
しかし、RC造だからといってすべての物件が同じ防音性能を備えているわけではありません。
物件選びの際には、壁や床の厚さ、窓・サッシの性能、間取りなどを確認することが重要です。
また、入居後の防音対策も効果的です。
今回ご紹介したポイントを参考に、快適で静かなRC造の住まいを見つけてください。
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